2018年7月24日火曜日

朝鮮半島情勢と憲法「改正」
明治大学教授・東京革新懇世話人 山田 朗
 612日の米朝首脳会談により朝鮮半島の緊張状態は緩和した。日本政府それ以前の緊迫期において、これまでのイージス艦とパトリオットミサイルからなる弾道ミサイル防衛システムに地上配備型のイージスアショアを加えるというハードウェアの強化にふみきったが、情勢の転換にもかかわらずそれがキャンセルされそうには思えない。中国の軍事力強化もあわせて、朝鮮半島情勢の緊迫化は、ハードの強化だけではなく、集団的自衛権の容認というソフトの改変まで進み、さらにはソフトとシステムの中核である憲法9条の変更を求める動きを強めるに至っているが、6月以降においてもこの状況には根底においては変化がない。 
朝鮮半島情勢と日本の軍拡 
 東アジアにおける軍事的緊張は、朝鮮半島のDMZ(非
武装地帯)と台湾海峡を挟んで、大規模な軍事力が対峙していることに起因している。ここでは、台湾海峡はひとまず置くとして、朝鮮半島の緊張が、それが何故に日本の軍拡や憲法「改正」を促すことになるのかを考えてみたい。
 朝鮮半島情勢が日本に影響を与えるには、歴史的要因(朝鮮半島情勢が過去に日本の軍事の在り方を改変した経験)と現在の日本の軍事戦略という2つの要因がある。歴史的要因についてはここでは踏み込まないことにして、まずは現代日本の軍事戦略、軍事的スタンスそのものについて検討してみよう。
 まず、第一に確認しておかなければならないのは、軍事力は存在するだけではそれが直ちに「脅威」にはならないということである。軍事力やそれを手段とする戦争は、あくまでも政治(国家戦略)の延長線上にあるもので、政治的に敵対関係にある相手の軍事力の存在は「脅威」とみなされるが、そうでない軍事力はそれが存在していても「脅威」とは認識されない。たとえば、現在の日本に最も近接する、最も強大な軍事力は、中国でも北朝鮮でもなく、アメリカ合衆国の軍事力である。しかし、日米同盟のもとでは、アメリカ軍は決して「脅威」とみなされず、そのアメリカの軍事力に対峙する中国や北朝鮮の軍事力のみが、日本を圧迫する「脅威」とみなされることになる。
 現在、朝鮮戦争の再来のような〈朝鮮有事〉の現実性はきわめて低い。韓国側の戦略基調は北朝鮮を攻撃して崩壊させることにはないし、北朝鮮にも全面戦争を遂行する客観的基盤がない。かつての朝鮮戦争(1950-53年)の際には、北朝鮮に対してソ連が武器・弾薬・燃料など〈モノ〉〈カネ〉を供給し、中国が戦闘要員の養成と出撃のための基地だけでなく、義勇兵というかたちで〈ヒト〉までも提供したが、現在、戦争のために北朝鮮に〈ヒト・モノ・カネ〉を公然と供給できる国はない。それゆえ、北朝鮮は、核とミサイルを使って威嚇はできても、みずから進んで戦争に撃って出る基盤なく、アフガンやイラクのように、アメリカが無理矢理に戦争に突進しないかぎり朝鮮半島における全面戦争というシナリオは成り立たないのである。
 朝鮮半島における全面戦争(朝鮮戦争の再来)というシナリオが成り立たないのであれば、南北統一戦争の余勢を駆って北朝鮮軍が日本に侵攻する可能性もないし、そもそも日本まで侵攻することは「朝鮮半島の統一」という大義から大きくはずれるものであるから、北朝鮮単独で実施できる戦争ではない。このように北朝鮮が、日本侵攻を狙うものでないのであれば、本来であれば、現在の情勢において日本が北朝鮮を安全保障上の「脅威」とみなして軍拡をしたり、改憲する理由にもならないはずである。
 だが、なぜそうならないのか。それは、朝鮮半島情勢にアメリカが深く関与し、そのアメリカに日本が基地を提供するだけでなく、日本の軍事力(自衛隊)がアメリカと不即不離の関係性をますます強めているからである。日本政府が集団的自衛権を容認することによって、その関係性はいっそう強まった。現在の朝鮮半島情勢においては、集団的自衛権の容認とは、アメリカの敵は日本の敵であり、アメリカの「脅威」は日本の「脅威」であり、アメリカの戦争は日本の戦争である、ということの容認に他ならない。
 北朝鮮「脅威」論は、日本の対米従属の裏面にほかならないのである。
 要するにアメリカと北朝鮮の関係の悪化があってこそ、日本と北朝鮮との関係の悪化があるわけで、日本と北朝鮮との間には、拉致問題などさまざまな未解決の懸案があるにしても、純粋に2国間において戦争に訴えなければならないような問題などない。それゆえ、日本が北朝鮮と対等なかたちで外交交渉ができる態勢にあれば、北朝鮮を「脅威」とみなしたり、朝鮮半島情勢の「緊迫」を理由として軍拡や憲法「改正」に舵を切る必要性などないのである。
 アメリカが北朝鮮を「脅威」とみなす限り、日本政府は北朝鮮を「脅威」とせざるを得ない。ということは、もしもアメリカが首脳会談を契機に、北朝鮮との対話路線に完全に舵を切った場合、アメリカに全面的に従属して北朝鮮への「圧力強化」のみを主張してきた日本政府はどうするのか。日本は外交的に袋小路に追い込まれることになるが、そうなったとしても政府は憲法「改正」路線を修正しようとはしないだろう。北朝鮮という口実がなくなれば、中国を口実にできるし、結果として憲法9条を始末できればよいからである。あくまでも9条「改正」による軍隊保有、軍隊保有による「大国化」こそが目標であり、さまざまな「脅威」は口実なのである。 
必要なのは包括的軍縮 
 北朝鮮の兵器開発は、この2年ほどの間に、弾道ミサイルの開発と核爆弾の開発がセットで急速に進み、いよいよICBMSLBMクラスの長射程弾道ミサイルに搭載する実用核弾頭の実戦配備に進むことが懸念される段階になって、状況は一転した。「非核化」への歩みはどうなるか予測はつかないが、「朝鮮戦争の終結」が実現できれば、これまでの朝鮮半島情勢は大きく変化させると言ってよいが、「脅威」の焦点は明らかに中国へと移行するであろう。
 このような状況に直面し、必要なのは北朝鮮や中国の軍拡に対抗する軍拡ではなく、アジアにおける包括的軍縮である。このまま北朝鮮が極端な軍拡を継続することは、かつてのソ連のように北朝鮮そのものの経済的破綻・崩壊の危険性を増大させていたので、当面はそういった状況が回避されたことは、日本社会にとっても幸いであった。北朝鮮が自滅的に崩壊することは、膨大な難民の流出などで東アジアの政治・経済に計り知れない混乱を引き起こすことは必至である。また、北朝鮮の軍拡がICBMSLBMクラスの長射程弾道ミサイルが実用核弾頭を搭載する能力を有するようになれば、アメリカが軍事介入をする口実を獲得し、朝鮮半島と日本を巻き込む、犠牲を省みない戦争に撃って出る恐れもあった。今後ともアメリカは、やるとすれば自国本土が危険にさらされる前に、武力行使に踏み切るであろう。
 だが、現実には、北朝鮮が欲しているのは、韓国や日本との戦争ではなく、あくまでもアメリカとの交渉の糸口を作り、自国の安全をアメリカに保障させることであり、その危機意識の源泉は、自国に近接して韓国・日本に展開するアメリカの強大な軍事力の存在である。それゆえ、これ以上、韓国・日本のアメリカの軍事力が増強されたり、日本がアメリカに同調して対北朝鮮(これは転じて対中国にもなる)軍事力を増強することは、北朝鮮をさらに追い込むことにはなるが、決して抜本的な方向転換を引き出すことにはならないだろう。これは、第2次世界大戦に参入する直前の日本が、アメリカの圧力が強化されればされるほど、むしろ戦争へと傾斜していったのと同じことである。
 北朝鮮に一方的に軍事的圧力や経済封鎖によって拙速に「非核化」を迫っても、核があればこそアメリカと対等になれると考えている北朝鮮国家指導層の譲歩を実現するのは難しいだろう。また、北朝鮮への圧力を強化するために日本がさらなる軍拡へと傾斜すれば、それは、北朝鮮をさらに破滅的な軍拡あるいは戦争へと追い込むだけでなく、恐怖の均衡が継続したとしても、日本の軍拡は必ずやただでさえ軍拡基調にある中国の軍事力増強に拍車をかけさせる結果となる。中国のさらなる軍拡は、インドの軍拡を招き、インドの軍拡はインド洋周辺諸国やパキスタンを軍拡に走らせ、中東諸国ひいてはイスラエルやイランの軍事力強化へと連鎖することは必定である。つまり、朝鮮半島情勢に起因する日本の軍拡が、東アジアの危機を高めるだけでなく、世界規模での軍拡の連鎖をひきおこすことにこそ、日本の軍拡、憲法「改正」の本質的問題点が存在する。
 それゆえに、朝鮮半島情勢に対処するにあたっても、眼前の北朝鮮を力で抑えるということではなく、軍拡の連鎖から脱出する道をさぐることこそ重要であり、そのためには、対北朝鮮戦略の柔軟化(対話の促進)と対中国戦略の転換が北朝鮮の姿勢をかえさせ、アメリカを軍事的暴発に走らせないためのキーであると考える。

2018年5月6日日曜日

理念がないということの恐ろしさ〜幻の航空券連帯税

   池田 香代子 さん
 出国税という新しい税ができました。なにじんでも、日本を出るときには1000円払う、税収は観光分野の整備に充てる、というものです。これについては、きっと誰もさして話題にしないだろうということと、個人的に苦い思いがあるという二つの理由で、ここに書いておきます。
 わたしはかねてより、これと同じように出国者から税を徴収する構想に賛同してきました。けれど、集めたお金は国内では使いません。世界の、気候変動の影響をうける地域への援助や、エイズをはじめとする伝染病の予防や治療に使います。
 航空券連帯税というのがその名称で、すでに韓国やフランス、ドイツなど8カ国が実施しています。つまりわたしたちは、韓国やフランスに行ったら、帰りにはこの航空券連帯税を知らぬうちに払っているのです。フランスだと約400円、韓国だと約200円です(これはエコノミークラスのばあいで、ビジネスクラスやファーストクラスだとその10倍くらいです)。
 国際的に税金を集めて世界の貧困問題を解決しよう、という発想は、半世紀近く前からありました。提唱者の名前をとって、トービン税と呼んだりします。けれど、この理想的な構想はなかなか実現しませんでした。
 2000年に始まった国連のミレニアム計画(「2015年には貧しいを半分に」)はしかし、この国際連帯税構想を後押ししました。そして、いろいろな徴税アイディアの中でも手をつけやすいものとして、8カ国が先行して航空券連帯税を始めたのです。
 航空券連帯税のおかげで、たとえばアフリカのHIV陽性の子どもたちの70%がカクテル療法を受けて、エイズを発症せずにすんでいます。エイズは治療可能な病気になって久しいのですが、毎日飲まなければならない何種類ものエイズ薬は、多くが高価な特許薬です。けれども、航空券連帯税のおかげで、お金のあるなしが命を選別してきた現状を劇的に変えることができたのです。
 日本も、この航空券連帯税を導入するチャンスがありました。
 民主党政権時代、自民党の政策集には、航空券連帯税を導入する、という記述がありました。ところが、政権に返り咲いた翌年の政策集からは、それは消えていました。事情を問いただすと、「うっかりした」とのことでした。けれど、さらにその翌年の政策集にも、航空券連帯税という文字はありませんでした。これでは、下野時代にはさまざまな分野の研究者や市民団体にいい顔をしたけれど、政権さえ取ってしまえば知らん顔なのだな、と思われても仕方ありません。
 それでも、航空券連帯税を実現させようとする人びとは、めげずに与党や省庁に働きかけ、法案取りまとめの寸前まで行きました。けれど、おもに国交省の反対で、立法化はあえなく潰えました。海外からの観光客を増やしたいのに、そんな新税で水をさすわけにはいかない、というのがその言い分でした。
 けれど、その舌の根も乾かぬうちに、徴税方法だけは「いただき」の、自国の税収を増やす出国税には、国交省も賛成したわけです。航空券連帯税導入を主張していたはずの自民党議員たちは、沈黙しました。
 なんという体たらく。そもそも国連ミレニアム計画で打ち出された「持続的開発のための教育」という考え方は、日本のイニシアチブで採択されました。その原資としても、日本は率先して航空券連帯税をはじめとする各種の国際連帯税を推進するのが筋でしょう。安倍政権は、ミレニアム計画にも「持続的開発のための教育」にも冷淡でした。
 なのに、外交の安倍、なのだそうです。あちこち外遊してお金をばら撒き、いっときいい顔をするのが、彼の「地球儀俯瞰外交」のようです。地球儀は空っぽです。もしかしたら、地図をプリントしたビニールボールだったのかもしれません。あのチャプリンの名作に出てきたような……。
 世界史的な理念の航空券連帯税を利己的な出国税へと堕落させた一事を取っても、この政権に国際的な使命感に基づく外交理念などなかったことは明らかです。経済の新自由主義のもと、この国は浅ましい国に堕ちてしまった。これを立て直すのは大仕事です。(寄稿)

2018年2月6日火曜日

2月4日

東京革新懇総会記念講演レジメ          2018年2月4日
政治の現状と安倍9条改憲阻止の展望
       法政大学名誉教授  五十嵐 仁


はじめに
通常国会―働き方改革、人づくり革命、9条改憲、モリ・カケ、スパコン、ゼネコン疑惑
2018年の位置―戦後政治の第2段階の終末期、末路と活路のせめぎあい、危機突破
草の根からの政治変革―9条をめぐる激突、安倍暴走政治の断罪、運動を通じての共同


1、安倍暴走政治の行きついた先―危機の拡大
 平和は守られるのか―安全保障環境の悪化、北朝鮮の核・ミサイル開発、周辺関係の閉塞
 民主社会は維持できるのか―秘密保護法、安保法、共謀罪法、メデイア・報道の不自由
 地球環境は守られるのか―トランプという阻害要因、原発再稼動、利潤優先・資源浪費
 景気は回復するのか―大企業は回復、内部留保406兆円、賃金停滞、家計消費は低迷
 生活は良くなるのか―貧困と格差の拡大、地方・地域の衰退、実感(実態)なき回復
 社会は持続できるのか―総人口と生産年齢人口の減少、中間層の没落、福祉の切り下げ
 未来は明るいのか―少子高齢化、非正規化、長時間労働、低収入、若者に失われた希望


2、危機を生み出した背景と要因
戦後の第1段階―経済・社会への公権力の介入、修正資本主義と福祉国家、ケインズ主義 戦後の第2段階―新自由主義による公権力の退出、官から民へ、規制緩和、フリードマン 失望と失敗―見捨てられた人々の蓄積、貧困の増大、格差の拡大、緊縮政策、ネオコン アメリカの衰退―ベトナム戦争とイラク戦争、2つの怪物(金とIS)、シリア難民の発生
 第2段階での日本の失敗―臨調・行革路線、新自由主義、政治改革、行政改革、構造改革
 政治改革―小選挙区制、派閥の衰退、議員の劣化、多極的柔構造の消滅、振り子の外部化
 行政改革―省庁の再編、巨大官庁=内閣府の登場、補佐官、官邸支配、内閣人事局
 構造改革―政治主導、戦略的政策機関による国会のバイパス、特区による私物化と忖度
 小選挙区制の失敗と効果―2大政党制の破綻、野党共闘の促進、試行から本格的実施へ


3、9条改憲をめぐる激突の開始
 再浮上―安倍首相の野望、米からの分担要請、北朝鮮危機の利用、「改憲勢力」の増大
戦争できる国に向けての総仕上げ―特定秘密保護法、安保法、共謀罪法、9条改憲
整備―システム(法律や制度)、ハード(自衛隊、在日米軍)、ソフト(人材、意識、世論)自衛隊を書き加えるだけ―後法優先の原則、安保法後の自衛隊、朝鮮半島危機
「効用」の喪失―戦争加担へのバリケード、軍備増強への防壁、国際テロへのバリアー
 「改憲」ではなく「壊憲」に反対―安倍9条改憲は「壊憲」の典型、新憲法の制定
不都合が生じなかった―条文が少なく短い、理念中心、法で具体化、人権が豊富で先進的
優先課題は何か―緊張緩和、景気回復、少子高齢化防止、福祉の充実などに全力を

〔参考〕日本国憲法前文
これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

ドイツ基本法
 基本法79条 第1および第20に定められている諸原則に抵触するような、この基本法の改正は、許されない


4、安倍9条改憲をめぐるたたかいの展望と課題
孤立させる―安倍9条改憲反対54%、急ぐべきではない67%、自衛隊明記「理解進まず」
安倍改憲の4つのハードル―自民党内、与党公明党、立憲民主党と希望の党、国民投票
 2019年までが勝負―4月統一地方選、天皇退位、7月参院選で3分の2以下に
 署名活動の刷新―ヒバクシャ国際署名と共に、インスタ映え、街頭+個別のローラー作戦
 署名を集める主体の拡大―してもらうとともに集めてもらう、集約体制が重要
 共同の追求―全労協系・連合系・中立系労組、原水禁、主婦連、日本青年団協議会など
 宗教団体との連携―立正佼成会、成長の家、真宗大谷派、カトリック中央協議会


むすび
 2つの獲得目標―9月の総裁選での安倍3選阻止、秋の臨時国会での改憲発議阻止
革新懇の役割―ハードルを高める、橋を架ける、斬新な企画、ハブの機能、地域デビュー
シニアの責任―70年かけて実現した自由で民主的な平和国家を守り次の世代に手渡す


【参考】個人ブログ「五十嵐仁の転成仁語」http://igajin.blog.so-net.ne.jp/
五十嵐仁『対決 安倍政権―暴走阻止のために』学習の友社、2015
五十嵐仁『18歳から考える日本の政治(第2版)』法律文化社、2016
五十嵐仁『活路は共闘にあり―社会運動の力と「勝利の方程式」』学習の友社、2017

2017年7月29日土曜日

「こんな人たち」の怒りが噴出した都議選
             法政大学名誉教授 五十嵐 仁

「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかないんです」
都議選の最終盤、安倍首相は秋葉原駅前でこう叫びました。「こんな人たち」として敵視された都民の怒りが噴出し、驚天動地の結果になりました。自民党は改選57議席を23議席に激減させ、都民ファーストの会は49議席を獲得。その間で「埋没」すると見られていた共産党は改選17議席から19議席へと善戦健闘しました。

積み重なった敗因

自民党の敗北はかつて経験したことのないものです。これまでの最低は38議席でしたが、それを15議席も下回りました。文京区と日野市で惜敗した共産党候補が自民党候補を蹴落として当選していれば、21議席で並んでいたのに惜しいことをしました。
 どうしてこれほどの歴史的惨敗を喫したのか。それはいくつもの敗因が重層的に積み重なったからです。築地市場移転問題の混迷など「都政の闇」を生み出してきたことへの責任追及、通常国会での共謀罪法案の強行採決や不祥事、暴言など政治と政治家の劣化への批判、改憲発言や「森友」「加計」学園疑惑での安倍首相と夫人の昭恵氏への忖度や国政の私物化に対する不信感、安倍首相の政治姿勢や体質への嫌悪感などが蓄積され、怒りのマグマとなって爆発したのです。
 これにとどめを刺したのが、秋葉原駅前での安倍首相による「こんな人たち」演説でした。全ての国民を視野に入れ、その生命と生活を守って国全体を統合する役割を担うべき首相が、自分を批判する人々を「こんな人たち」とひとくくりにして非難したのです。国民を線引きして分断し、「味方」や「お仲間」には優しいアベ政治の本質が顕われた瞬間であり、それに対しても厳しい審判が下されました。

 ポピュリズム選挙という「突風」

 今回の選挙では。ポピュリズム選挙という「突風」が吹きました。この風に吹かれて舞い上がったのが小池百合子都知事に率いられた都民ファーストの会です。現有6から49議席に躍進し、追加公認を含めて55議席になりました。「今回だけは支持できない」「安倍首相にお灸を据えたい」と考えた自民党支持者や無党派層にとって「非自民」の「手ごろな受け皿」となったからです。
 このようなポピュリズム選挙の「突風」はアメリカの大統領選挙、フランスの大統領選挙や議会選挙でも吹きました。日本では日本新党、大阪維新の会や名古屋での減税日本などの議員も、ポピュリズムの風に押し上げられ、あれよあれよという間に当選し、議会に送り込まれたことがあります。
しかし、日本新党の都議はすぐに消え、大阪維新や減税日本のブームもしぼんでしまいました。今回当選した「小池チルドレン」の半分近くは議員経験がなく、きちんとチェック機能が果たせるのか、これから問われることになるでしょう。「突風」による躍進にはポピュリズム選挙の危うさが孕まれていることを忘れてはなりません。

共産党の善戦

 共産党は2議席増と善戦健闘し、得票数と得票率も増やしました。前回の都議選で8議席から17議席に倍増していますから2回連続での増加で、32年ぶりのことになります。都民ファーストの会への「追い風」が吹いたにもかかわらず、吹き飛ばされることなく前進したのは重要な成果でした。
これは強固な組織的基盤の成果ですが、市民や他の野党との共闘の前進も大きな力になりました。無党派層の支持も増え、出口調査(8社共同)では、支持政党なし層の投票先として共産党は19.6%で、都民ファーストの会の20.8%に次ぐ2位となっています。
 「森友」「加計」問題などでの調査と追及、アベ政治に対峙し続けてきたぶれない政治姿勢、9条改憲阻止など国政上の争点も訴えた選挙戦術、豊洲移転に反対して築地再整備を掲げた唯一の政党という政策的立場などが支持された結果です。安倍首相に最も強烈な「ノー」を突きつける「反自民」のための「信頼できる受け皿」として選ばれたということでしょう。
 このような「受け皿」を提供することができれば、総選挙でも地殻変動を起こして自民党を大敗させることができます。市民と野党との共闘によってそのような「受け皿」を生み出すことができるかどうかが問われています。
 内閣支持率が低下し続け、「潮目」が変わりました。いつ国会が解散されても勝利できるような準備を進め、安倍政権を解散・総選挙に追い込むことがこれからの課題です。


2017年6月1日木曜日

核兵器禁止へ新たなステップ

核兵器禁止条約実現の新たなステップと
被爆国日本の運動の役割
             日本原水協事務局長 安井正和

画期的な核兵器禁止条約草案
522日、欧州国連本部で核兵器禁止条約の草案が国連会議のエレン・ホワイト大使によって発表されました。日本原水協はこの草案を「心から歓迎する」事務局長談話を発表しました。被爆者や被爆地の広島、長崎の市長も歓迎の声を上げました。
談話では、歓迎の理由として以下の4点述べました。
一つは、核兵器によって引き起こされた被爆の実相と核兵器使用の人道的帰結に関する知見を踏まえ、核兵器が三度使われてはならないとの決意を明確にし、人道と相容れない戦闘手段・兵器の使用を禁止するという立脚点を明確に確認していることです。
二つ目に、第一条で使用はもちろん、開発、生産、製造、取得、保有、貯蔵のすべてを明確に禁止していることです。
三つ目に、核兵器の使用、実験によって引き起こされた被害についても人道法と人権法に沿った支援の提供を打ち出していることです。
四つ目は、前文で被爆者、核実験被害者の苦難に特別に留意し、また国連、赤十字とともに市民社会の運動と被爆者の努力に言及したことです。
これらは、日本の原水爆禁止運動が創立以来、被爆者とともに掲げてきた核戦争阻止、核兵器全面禁止・廃絶、被爆者援護・連帯との基本目標とも精神を一つにするものです。
 草案は、615日からはじまる第二会期で審議され、77日の閉会日までに採択される予定です。草案では、批准が40カ国に達した時点から90日後に発効することになっています。
日本原水協は、第二会期の国連会議には、一つでも多くの国が参加し、核兵器禁止条約の審議・決定・採択の歴史的事業に加わるようよびかけるものです。 
問われる被爆国日本の態度
問わるのは日本政府の態度です。日本政府は、3月の交渉会議にあたり、高見澤軍縮大使が最初の「ハイレベルセグメント」で演説し、終えるとすぐに退席しました。会議に参加した被爆者が「裏切られた」と怒りの声を上げ、内外から厳しい批判が寄せられたのは当然です。
日本政府が不参加の理由の第一に挙げたのは、北朝鮮による核実験とミサイル発射という「現実」です。北朝鮮が、核実験、ミサイル発射を即刻やめ、国連安保理決議の順守、六カ国協議での合意や日朝平壌宣言に立ち戻るべきです。
安倍首相が「全ての選択肢がテーブルの上にある」とのトランプ大統領の発言を、繰り返し「高く評価する」と表明しているように、平和的外交的解決の努力は一切見られません。
 ホワイト議長は、22日の条約草案発表に当たり、「禁止条約を実現することで、我々は、いま国際情勢が求めている核軍縮・不拡散を前進させることの緊急性に応えようとしている」と述べています。日本政府はアメリカの「核の傘」に依存する自らの態度に再検討を加え、核兵器禁止条約実現の事業に加わるべきなのです。 
被爆国の運動の責務
「核兵器のない世界」は外交だけ、政府レベルの努力だけでは実現しません。世論の力で現状を変えていくために、日本原水協は、被爆国の運動の責任として、広島・長崎の被爆の実相を世界と日本の若い世代、次の世代に被爆者とともに伝え、形にしていくこと。被爆者の訴える「ヒバクシャ国際署名」を共同の力で前進させていくことをよびかけています。

草の根から行動をひろげ、8月の原水爆禁止世界大会を、政府と市民社会の共同を次のステップに押し上げる歴史的な大会として成功させようではありませんか。

2017年4月1日土曜日

3・21緊急学習会「共謀罪」

小部正治弁護士が講演(自由法曹団東京支部長)
共謀罪のねらい―市民・労組の運動弾圧と監視社会

 東京革新懇は、321日、当日閣議決定された「共謀罪」法案の危険性について緊急学習会。新しく東京革新懇の代表世話人に就任した小部正治さんが講演。共謀罪とは、犯罪行為を行わなくても、「合意」だけで処罰する。刑法の行為原則違反。思想信条の自由(憲法19条)、表現の自由、結社の自由(21条)の侵害。日本国憲法の規定に真向から反する。プライバシーや結社の自由の侵害が常態化。日常的監視、密告による「摘発」で、運動や団体の活動を弾圧する手段になる。緒方宅盗聴事件、堀越事件等のように警察が民主団体・労組をいつでも弾圧できる材料を日常的かつ合法的に手に入れることになる。行為ではなく合意そのものが犯罪とされるという共謀罪の本質は変わらず。「組織的犯罪集団」の定義はあいまいであり限定は困難、誰でも対象になり得る。対象犯罪が広汎で対象行為は限りなく広がる。数を減らしても本質は不変。 あいまいな「準備行為」の概念。「準備行為」を行っていない者も「合意」だけで罰せられる。「一般市民」かどうかの判断基準はあいまい。いくら対象犯罪の数を絞っても、共謀罪の危険な本質は変わらない。国際組織犯罪防止条約は共謀罪創設の理由とならない。東京オリンピック・パラリンピックに便乗した共謀罪は許されない。力による対応(治安強化、軍事)では、「テロ」は根絶できない。「戦争をする国」づくりの一環としての共謀罪である。共謀罪を断念させるために。共謀罪の危険な本質を多くの市民、労働者に伝える。「オリンピック」「テロ対策」「従来より限定」という政府の宣伝を打ち破る。戦争法廃止、憲法改悪阻止の運動と連携した運動をと、話しました。15人が参加。

2017年3月1日水曜日

総会・記念講演

政治危機と私たちの選択
憲法と民主主義を守る大結集を
山口二郎法政大学教授

 121日の東京革新懇総会記念講演の要旨をご紹介します。 
アベ化する世界とイヤな時代
アベ化とは何か、一つ目は、自己愛の極めて強い幼児的リーダーの跳梁跋扈。自分を常に正しいと信じて疑わない。二つ目は、自己愛の裏返しとして批判に対して徹底的に攻撃を加える。三つ目は、攻撃するときには、ウソ、偽り、デマとあらゆる手段を使う。四つ目は、事実と虚構、事実とフィクションの区別ができない。
昨年、イギリスでポスト真実という言葉が使われるようになった。アベ化あるいはトランプ現象の根底に、ウソ偽りでも自分が聞きたいと思うことを聞いて信じ込むという、一般の人々の態度が広がり、トランプ、アベのような為政者を支えている現状がある。 
世界のアベ化と米大統領選挙
アベ化は世界に広がる疫病のようなものだ。なぜトランプが勝ったのか、1990年代以降進んできたグローバルリズム、金もうけのためなら大企業資本はなんでもする。社会、経済の荒廃に対して不満を持つ人々が抗議の意思表示をしたという面がある。
欲求不満が渦巻いている中で、トランプは、ウソ八百を並べて移民とか少数民族などをいじめ、差別するようなことを言って、白人労働者に癒しを提供した。
アメリカのトップ富豪の1%が国民全体の中でどれだけの富を得ているか、1928年と2007年にピークがきてトップ1%の人が、国民全体の所得の約4分の1を取るという大変な富の集中が進んだ。
富の集中が進むと、1929年の世界大恐慌、2008年のリーマンショックというバブル崩壊後の大金融危機が起こる。リーマンショック後、政府は大規模な金融機関の救済策と刺激策を打ち、100兆円単位の金を注ぎ込んだ。のど元過ぎればで、大金融機関幹部たちは、法外な報酬を手にしている。 
建前を公然と否定する社会
トランプ現象は、政治において建前とか理念をあざ笑う、否定するという風潮が本質だ。民主主義の歴史は建前を普遍化する。権利の主体であるMEN、人間という言葉の意味内容を、当初書かれたときに意味していた白人の財産を持った男性から女性、労働者、さらには黒人、移民に拡張していった歴史である。女性参政権を求めて闘った人々、労働者の権利を守ろうとした人々、公民権運動をたたかったマーチン・ルーサー・キングなど黒人の人々、人々の努力によって建前が普遍化していった。このプロセスこそが民主主義そのものだ。
しかしトランプは、民主主義の拡大を否定する。これ以上女性なり移民なりに同じ価値を付与するのは面白くない。減りつつある白人男性という元の主流派が考えることがトランプ現象を支えた大きな要因だ。建前とか理念を否定してしまえば、民主主義はそこで終わりになる。 
日本の危機的現状
日本の危機は、政治、社会、経済それぞれの面で深刻になっている。
政治の危機の本質は、権力の暴走と立憲主義の崩壊。内閣法制局、NHK、日銀、専門性や中立性を尊重されてきた機関がアベカラー一色に染まり、アベ政治を推し進める体制ができてしまった。ついに天皇制までアベは手を付けようとしている。退任問題。安倍が考える復古的な天皇像というものを押し付けようとせめぎ合いが起こっている。
独裁政治においては言葉が崩壊する。積極的平和主義という名で海外派兵、南スーダンでは戦闘ではなくて衝突、オスプレイは墜落ではなく不時着大破、カジノじゃなくてIRとか、物事の本質を誤魔化すためにこそ言葉が使われる。ジョージ・オーウェルの「1984年」の全体主義支配のポイントだ。
議院内閣制おいて、衆・参両方で絶対的な多数を握った勢力は、非常に大きな権力を持つ。裁判所も放送局も新聞社も学校も企業も、大人しくしておこうとか、積極的に現政権に同調する。権力の暴走を止める最後の防壁は選挙による政権交代だ。 
社会の危機
社会の危機は、社会の結び付き、人間を尊重しあう気分がどんどん低下している。相模原の障害者施設で大量殺人事件は、病的な犯人が起こした例外的な事件ではない。人を殺すような事件は沢山ないが、テレビやネットでは、病気の人間は早く死ねばいいということを平気で言う人間がいる。
最近のテレビのバラエティー番組にネトヨウみたいな人間がしょっちゅう出て、人工透析は自業自得だから治療費を自分で払え、そういうことを平気で発言している。東京MXテレビがやった沖縄に対する差別も同じだ。
人間というのは、いつも自由を好むとは限らない。強い為政者の下にぶらさがり、安心を得ようと行動することがある。ナチズム台頭の中で実際に起こった現象だ。イギリスの歴史家で高名な学者が来日、現状は1930年代に似ている、ウソ偽りで人を動員する政治の手法は、つぶさなければと警告していた。 
経済と生活の危機
日本の総中流化は、1997年がピーク。その後、アジア通貨危機の影響、小泉時代の構造改革等によって、所得の低い階層が増えだした。2000年を境に、企業はもうかるけれども賃金が減る負の相関関係が始まり、賃金を減らすから会社がもうかる時代だ。原因は雇用の規制緩和、不正規労働の増加だ。
生活保護基準以下の割合は2000年代前半においても20代、30代、40代前半で増えている。
「相対的貧困率」を国際的にみると、日本は上から2番目。イギリスは労働党政権下で政策をすすめ貧困が減った。貧困が広がっているのは政治の責任だ。 
政治転換の突破口
参院選の結果は非常に残念だった。何となく自民党でいいやみたいな、国民の気分を変えることができなかった。
参院選直後の朝日新聞世論調査を見ると、自民党が勝った理由は、「安倍政治の政策が評価されたから」が15%、「野党に魅力がなかった」が71%。
野党がどう魅力をつけるか、一つは、本気でやったら勝てる可能性を見せること。二つは、「こっちが勝ったら、少しは自分たちの生活もよくなるかも知れない」との政策での期待感を持たせることだ。
32の1人区で、野党統一候補が擁立できたことは画期的なことだ。沖縄、福島、アベ政治の悪政が目に見えるところでは、野党が勝った。
東北甲信越でけっこう勝った。TPP、農業の問題があった。安倍政権の政策ではまずいという、農業関係者・保守層を含めて危機感を持った。 
野党の現状と課題
小選挙区で闘う時に、明確な対決構図を描くことだ。ここの部分だけは絶対に闘うぞという国民が望む選択肢を示すために、野党も既得権にしがみつく議論を乗り越えていくリーダーシップが、とりわけ民進党に必要だ。
新潟県知事選のNHK出口調査では、民進は自由投票だったが民進支持層は85%ぐらい米山、共産はもちろん。無党派層の3分の2が米山。統一候補を立てる、野党が協力する、無党派層の6割ぐらいを取る。欲を言えば、保守層の2割ぐらいを呼び込む。これが新潟県知事選に表れた勝利の方程式だ。
自民党は「共産党も含めて野党が野合するのか」と必ず言ってくる。日本の憲法と民主主義を守るために闘う、大義名分がある。選挙の結果、非自民側が過半数を取れる状況が出れば、改めて政権政策を決める手順でいい。連立政権はドイツでもスペインでも、選挙結果を受けて公表する。
一方で非常に恐れていることは、小池(百合子)プラス橋下(徹)という日本版ポピュリスト新党が自民党と競争し、最大野党になり、安倍か橋下かみたいな構図ができることだ。
私たちは、正攻法で憲法と民主主義の旗を立てて、国民に対してこっちがまっとうな選択肢だ、ということを言っていかなければいけない。
アベ政治に対抗する穏健保守、リベラル、革新勢力を大結集するとことが課題だ。5年先の日本を建て直すという政策の共有が必要になっていく。自衛隊とか日米安保とか、考え方に距離があるが今すぐ自衛隊をゼロにするというわけではない。軍需産業で成長戦略をとる政策をやめる。武器輸出三原則を元に戻す。沖縄の新基地建設を止める。オスプレイの配備を押し戻す。原発再稼働を認めない。そういうレベルの政策をよりましな日本というイメージで、皆が結束するということが大事だ。 
結びに代えて―憲法とたたかい
安倍が憲法を改正したいというのは、個人的な怨念の世界だ。岸信介が戦犯で巣鴨の牢屋に入れられ、それに対する復讐心でもって岸が総理になった後、改憲を指向した。改憲の手始めに、安保条約の改定を進めた。国民が怒って60年安保という国民的な運動が起こった。それで岸が辞めさせられた。こういう一連の流れが、安倍の改憲願望の原因だ。じいさんの敵を打ちたい一心だ。
詩人の石原吉郎は、シベリアに抑留された。日本の捕虜たちは作業現場への行き帰り、5列に隊伍を組まされ、その前後左右を自動小銃を構えた警備員が行進する。一歩でも列から外れると、逃亡とみなして射殺してよいという規則になっていた。なかでも実戦の経験が少ないことに強い劣等感を持っている17、8歳の少年兵に後ろに回られるぐらい囚人にとって嫌なものはない。彼らはキッカケさえあれば、ほとんど犬を打つ程度で発砲する。
実戦の経験が少ないことに強い劣等感を持つ少年兵というのが安倍晋三であり、取り巻きの右翼政治家。戦後の日本は憲法9条の下で、実戦の経験を持たない。その劣等感を晴らすために憲法を変えたい、それだけの話だ。
我々は、改憲の策謀に対して体を張って闘うというときがきた。選挙はいつになるか分からないが、憲法を守るための幅広い戦列を作りたい。改めて今年の健闘を誓い合いたい。

最後に、魯迅の「故郷」、「もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」。私たちも「仲間を増やして、みんなで歩いて、民主主義を守る道を作っていきたい」。