政治の現状と安倍9条改憲阻止の展望
法政大学名誉教授 五十嵐 仁
はじめに
通常国会―働き方改革、人づくり革命、9条改憲、モリ・カケ、スパコン、ゼネコン疑惑
2018年の位置―戦後政治の第2段階の終末期、末路と活路のせめぎあい、危機突破
草の根からの政治変革―9条をめぐる激突、安倍暴走政治の断罪、運動を通じての共同
1、安倍暴走政治の行きついた先―危機の拡大
平和は守られるのか―安全保障環境の悪化、北朝鮮の核・ミサイル開発、周辺関係の閉塞
平和は守られるのか―安全保障環境の悪化、北朝鮮の核・ミサイル開発、周辺関係の閉塞
民主社会は維持できるのか―秘密保護法、安保法、共謀罪法、メデイア・報道の不自由
地球環境は守られるのか―トランプという阻害要因、原発再稼動、利潤優先・資源浪費
景気は回復するのか―大企業は回復、内部留保406兆円、賃金停滞、家計消費は低迷
生活は良くなるのか―貧困と格差の拡大、地方・地域の衰退、実感(実態)なき回復
社会は持続できるのか―総人口と生産年齢人口の減少、中間層の没落、福祉の切り下げ
未来は明るいのか―少子高齢化、非正規化、長時間労働、低収入、若者に失われた希望
2、危機を生み出した背景と要因
戦後の第1段階―経済・社会への公権力の介入、修正資本主義と福祉国家、ケインズ主義 戦後の第2段階―新自由主義による公権力の退出、官から民へ、規制緩和、フリードマン 失望と失敗―見捨てられた人々の蓄積、貧困の増大、格差の拡大、緊縮政策、ネオコン アメリカの衰退―ベトナム戦争とイラク戦争、2つの怪物(金とIS)、シリア難民の発生
戦後の第1段階―経済・社会への公権力の介入、修正資本主義と福祉国家、ケインズ主義 戦後の第2段階―新自由主義による公権力の退出、官から民へ、規制緩和、フリードマン 失望と失敗―見捨てられた人々の蓄積、貧困の増大、格差の拡大、緊縮政策、ネオコン アメリカの衰退―ベトナム戦争とイラク戦争、2つの怪物(金とIS)、シリア難民の発生
第2段階での日本の失敗―臨調・行革路線、新自由主義、政治改革、行政改革、構造改革
政治改革―小選挙区制、派閥の衰退、議員の劣化、多極的柔構造の消滅、振り子の外部化
行政改革―省庁の再編、巨大官庁=内閣府の登場、補佐官、官邸支配、内閣人事局
構造改革―政治主導、戦略的政策機関による国会のバイパス、特区による私物化と忖度
小選挙区制の失敗と効果―2大政党制の破綻、野党共闘の促進、試行から本格的実施へ
3、9条改憲をめぐる激突の開始
再浮上―安倍首相の野望、米からの分担要請、北朝鮮危機の利用、「改憲勢力」の増大
戦争できる国に向けての総仕上げ―特定秘密保護法、安保法、共謀罪法、9条改憲
整備―システム(法律や制度)、ハード(自衛隊、在日米軍)、ソフト(人材、意識、世論)自衛隊を書き加えるだけ―後法優先の原則、安保法後の自衛隊、朝鮮半島危機
「効用」の喪失―戦争加担へのバリケード、軍備増強への防壁、国際テロへのバリアー
「改憲」ではなく「壊憲」に反対―安倍9条改憲は「壊憲」の典型、新憲法の制定
不都合が生じなかった―条文が少なく短い、理念中心、法で具体化、人権が豊富で先進的
優先課題は何か―緊張緩和、景気回復、少子高齢化防止、福祉の充実などに全力を
〔参考〕日本国憲法前文
これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
ドイツ基本法
4、安倍9条改憲をめぐるたたかいの展望と課題
孤立させる―安倍9条改憲反対54%、急ぐべきではない67%、自衛隊明記「理解進まず」
安倍改憲の4つのハードル―自民党内、与党公明党、立憲民主党と希望の党、国民投票
2019年までが勝負―4月統一地方選、天皇退位、7月参院選で3分の2以下に
署名活動の刷新―ヒバクシャ国際署名と共に、インスタ映え、街頭+個別のローラー作戦
署名を集める主体の拡大―してもらうとともに集めてもらう、集約体制が重要
共同の追求―全労協系・連合系・中立系労組、原水禁、主婦連、日本青年団協議会など
宗教団体との連携―立正佼成会、成長の家、真宗大谷派、カトリック中央協議会
むすび
2つの獲得目標―9月の総裁選での安倍3選阻止、秋の臨時国会での改憲発議阻止
革新懇の役割―ハードルを高める、橋を架ける、斬新な企画、ハブの機能、地域デビュー
シニアの責任―70年かけて実現した自由で民主的な平和国家を守り次の世代に手渡す
【参考】個人ブログ「五十嵐仁の転成仁語」http://igajin.blog.so-net.ne.jp/
五十嵐仁『対決 安倍政権―暴走阻止のために』学習の友社、2015年
五十嵐仁『18歳から考える日本の政治(第2版)』法律文化社、2016年
五十嵐仁『活路は共闘にあり―社会運動の力と「勝利の方程式」』学習の友社、2017年
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