2015年4月27日月曜日

教科書採択に関して

  子どもたちに
  正しい歴史認識を育てる教科書を
(三多摩で開かれた教科書学習会の様子)
 今年の7月から8月にかけて、採択地区の教育委員会で、中学校の教科書採択が行われます。東京には54の教科書採択地区があり、地区ごとに採択要項をつくり、教科書展示や学校回覧を経て、最終的には教育委員会で決定されます。東京では4年前の採択で、「戦争を賛美し改憲をすすめようとする社会科教科書」が、大田区と武蔵村山市で採択されました。そうした教科書の採択地区を増やそうという危険な動きが、今、全国で起こっています。
東京革新懇も参加する東京教科書採択連絡会は、以下の取り組みを呼びかけています。
①教育委員会に影響を与えるほどの宣伝…よりよい教科書を選ぶための学習会を各地区で広げ、宣伝を行う等、「戦争賛美の教科書は子どもに手渡さない」という声を町中に広げ、教育委員にも届くようにすることが大切です。さらに多くの住民から要請や陳情が寄せられたり、教育委員会の傍聴が増えたりすることも、教育委員に影響を与えます。
②直接教育委員会に意見を多く寄せる…住民が見やすい教科書展示を求め、毎日子どもたちと一緒に教科書を使って授業をすすめている教職員や住民の声を採択で重視することについて、教育委員会に要請しましょう。
③教科書展示で意見を書く…多くの人々に声をかけ、教科書展示を見に行ってよりよい教科書が採択されるように、意見を書きましょう。法定教科書展示期間は、6月19日から14日間ですが、採択地区で期間を延ばしているところがほとんどです。
④総合教育会議・教育委員会定例会の傍聴を位置付け、採択のための教育委員会だけでなく、今から、総合教育会議・教育委員会の傍聴にとりくみ、採択のための教育委員会(7月~8月)には、全力で傍聴を行うことが大切です。
残り4ヶ月間のたたかいを強めましょう。

                                  



2015年4月8日水曜日

3月16日に開催した東京革新懇学習会の要旨を御紹介します。

戦争する国づくり阻止のために
横田基地・沖縄・戦争法案 
内藤 功 弁護士
 
砂川闘争と砂川裁判
砂川闘争と砂川裁判の意義をとらえ直す必要がある。米軍基地拡張に対して、砂川町民ぐるみの反対運動がわき上がり、57年、米軍基地に入ったとして刑事特別法違反で7人起訴。59330日、東京地裁(伊達裁判長)は、「侵略戦争はもとより自衛の戦争、戦力も禁止している。米軍駐留は、憲法92項が禁止する戦力保持にあたる故に憲法違反」との判決を下した。判決は最高裁で破棄された。
 67年に美濃部知事が当選し、69年に土地収用を取り消した。77年に基地が日本に返還され、基地内の土地返還訴訟も勝利的和解となった。
 砂川闘争・伊達判決は、60年安保闘争や全国の基地闘争を励ました。
 しかし、立川(砂川)基地の軍事機能は横田基地に集中・吸収された。 
横田基地は政治的・軍事的対日支配の拠点
 横田基地は、政治的軍事的両面から見る必要がある。在日米軍司令部があり、対日支配の拠点だ。米大使館と直結しヘリで常に往復。大使、司令官、幕僚、参事官たちの会議を定期開催。太平洋、インド洋、中東を管轄するハワイの太平洋軍司令部と直結し、出先だ。自衛隊統合幕僚部とも直結している。
東日本大震災のときに、アメリカ太平洋軍司令官ウオルシュ海軍大将が、100人規模の幕僚・司令部とともに横田基地に乗り込み20日間いた。統幕はアメリカと統合司令部をつくった。
 輸送中継拠点で、米兵がフリーパスで入ってくる。オスプレイは、東富士、北富士での訓練で横田基地で給油のコースを取ることが多い。パラシュート降下訓練は13年から突如始まり、首都東京の真ん中でやっている。
 昨年7月の閣議決定後の8月に航空自衛隊・航空戦術教導団が、新編され横田基地におかれた。部隊の目的は、敵基地を攻撃するための部隊・要員の教育、訓練、研究を指導することだ。
 横田基地が日米共同作戦基地に変貌を遂げているのが大きな変化だ。 
沖縄のたたかいから学ぶ
 沖縄は昨年なぜ選挙で勝ち続けたか。戦後の沖縄の70年は、「沖縄を再び戦場にするな」を共通基盤に、米軍占領・植民地化と島ぐるみ闘争、祖国復帰闘争、非暴力が貫かれた。
 翁長知事は、あらゆる手段を尽くして公有水面埋め立て許可を取り消すと言っている。政府が、訴訟を起す可能性も高い。証拠資料を確保し理論武装し、あとは本土の力を引き出すことだ。あらゆる方法で支援を強め、本土の闘争と結びつけることだ。 
憲法を武器とするたたかい
 伊達判決を力に自衛隊違憲裁判は、百里、恵庭、長沼、イラク訴訟の裁判に引き継がれた。長沼裁判では、739月に自衛隊違憲判決が出て、2年半後に高裁が違憲判決を破棄したが、その間、自衛隊を「違憲状態」に追い込んだ。
 6070年代、裁判と国会論戦と結びついて、自民党政権を追い込んだ。長沼裁判で自衛隊違憲判決は必至という状況で出されたのが72年の「集団的自衛権行使は許されない」との政府見解だ。 
「閣議決定」具体化の戦争法案阻止
 戦争法案阻止のたたかいにあたり次のことが重要だ。①「閣議決定と戦争法案は憲法違反」を正面にすえてたたかう。②その正体は米国の戦争に自衛隊、国民、自治体を動員することだ。③「切れ目のない」とは、米軍と一体で切れ目がない、平時から世界有事・日本有事へ切れ目をなくし、国民を誘導することだ。④安倍政権の万能薬は「存立事態」と「武力行使の新3要件」で1政府が認めれば何でも出来る。⑤秘密裡の日米軍事指針改定交渉は最終段階で、法案と同時進行している。自民が強気で公明が妥協の背景となっている。 
戦後70年、侵略戦争に反省のない「戦争内閣」
 8月の総理談話に内外の注目が集まっている。この論争があることは、我々にとって有利だ。受諾したポツダム宣言の意義、植民地支配と侵略の動かし難い歴史などが議論の基本だ。
 安倍総裁は「16年参院選で3分の2めざす。地方選挙は前哨戦、議席増を図る」と発言。

 地方選挙は我々にとっても、地方自治体を戦争政策の道具にするなと訴える好機だ。