2011年3月7日月曜日

石原都政で大幅に後退した消費行政

  岩佐 恵美(代表世話人、元参議院議員)
これは、221日代表世話人会における「話題提供」の概要です。
  消費者行政予算に大ナタが
消費生活対策費の総額は、01年度198,488万円から、10年度には「東京都消費者行政活性化基金」を除いた場合(基金特需?)138,693万円となり、59,795億円(30%の減少)となっている。
≪個別予算≫
・都民参加の推進費1,1826千円が、02年度以降ゼロに
・消費生活対策審議会の予算が半額に
・表示適正化対策費が、約4割減に
・生活関連物資価格等調査費、01年度4,050万円が、02年度からゼロへ  流通環境改善事業が、85%減へ

消費生活センター 関連予算も、97年度の9963万円から、10年度37,919万円へと、53,044万円(約60%)もの大幅減額。
≪個別予算≫
・商品テスト予算は、01年度4,721万円から、10年度1,282万円(73%)削減。
 しかも、テストの内容についても、商品機能比較テストが、01年度で打ち切られ、「商品事故追跡テスト」も02年度までで、03年度からは、「事故防止テスト」に変更された。06年度からは、消費者相談の解決に直接関係のある「相談に伴う原因究明テスト」のみに限定している。(10年度予算では、商品テスト強化事業として、基金から2,800万円)
・消費生活センターの管理運営費も、73%削減。
・消費生活相談等の予算は、01年度比21%削減、97年度比26%減。

「多摩消費生活センター」は機能が縮小され事務所移転。

 消費者行政強化への具体的要望
1)石原都政の消費者行政に対する姿勢の最大の特徴は、トップダウンの独裁的手法に徹し、消費者参加を徹底的に切ってきたことにある。そのやり方を根本から変えさせることが、消費者行政の前進にとって最大の課題である。
2)首都東京には、日本全体の人口の1割が集中し、経済活動の中心地である。そのため、消費者被害相談の件数も全国の14,2%と多く、しかも複雑かつ多岐にわたる内容となっている。現在、都区市町村の相談件数は、128,154件で、うち都の相談件数は、29%となっているが、当然、自治体では手におえない案件が多く出てきており、都の果たす役割が、ますます期待されている。とくに、「多摩消費生活センター」が機能縮小され、相談体制等消費者行政の整備が遅れている多摩地域の自治体、住民の状況は深刻である。
3)消費者関連予算の増額と機能強化
・商品テストは、消費者の要望に応えたテストにすべき。
・消費生活相談については、市町村では、相談員の確保等が困難で、相談に応じる体制がとれないところも多く、国は、広域で近隣自治体が複数で対応すべきという案を提起しているが、問題が多く、実現性は薄い。本来、消費者相談は、国や都道府県が財政的にも、人的にも、組織的にも、自治体を援助すべき分野である。また、相談員のレベルアップのための教育等についても、責任もって強化すべきである。とくに、「多摩消費生活センター」の機能強化は、喫緊の課題。
・消費者・消費者団体への活動支援については、消費者は、企業に対して対等ではないため、行政の積極的な援助が必要である。かつては、そのような体制がとられてきた。韓国で、10団体に、フランスは、18団体へ公的援助が実施されている。
・消費者の安全確保、商品に対する適正な判断などを保証するために、情報収集・分析、消費者へのフィードバック、消費者教育等、消費者の権利が守られる行政サイドの対応が求められる。
・行政は、消費者審議会や、消費者懇談会など、消費者参加を積極的に進めるべき。

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