反「『安保』ファシズム」・憲法全面開花の統一戦線を作るとき
金子勝(立正大学名誉教授、東京革新懇代表世話人)
安倍晋三内閣総理大臣の「執念」は、在任中に、あらゆる手段を用いて、日本国憲法を廃棄して、日本を、戦争しない「『第九条』の国」から、侵略戦争までする「『安保』の国」に改めることにある。
その「執念」は、日本の経済・政治・文化を支配する日本支配層(財界首脳部、官僚の首脳部、政権党の首脳部)の「執念」の表出である。
「『安保』の国」とは、「日米安全保障条約」体制に基づいて(「安保」体制)、アメリカと共に世界中で侵略戦争を展開する日本のことであり、台頭する中国とアメリカと共に戦争する日本のことである。
日本の支配層が、また、安倍内閣総理大臣が、「『安保』の国」を狙うのは、アメリカの世界支配のための戦争と政策に協力することにより、アメリカの引きを得て、日本を、世界を支配する帝国主義国の一つに昇華させたいとの考えからである。「『安保』の国」になれば、対外的には、アメリカと共に、外国の資源を入手するための、各国にある米日系企業をまもるための、米日に対抗する国を抑圧するため戦争が可能となり、対内的には、反政府運動や反米日大企業運動を軍隊で鎮圧することが可能となる。
「『安保』の国」を作るために、日本支配層は、”保守総がかり”を以て、日本がアメリカに従って世界中で侵略戦争ができるように、自民党の「日本国憲法改正案」が示している、日本軍を持ち、基本的人権も、国民主権とそれ基づく民主主義も、政党も、議会政治も、地方自治もない(「ファシズム」状態)日本、即ち、「安保」体制から生まれる「『安保』ファシズム」の日本を作ろうとしている。
私たちの最大の課題は、反「『安保』ファシズム」・憲法全面開花の統一戦線(改憲阻止国民会議)を結成することにある。