2013年11月9日土曜日

最近思うこと

「ナチスの模倣」について
      東京革新懇代表世話人 
       鶴見祐策(弁護士)

安倍総理が執念を燃やす自民党の「憲法草案」には、「天皇元首」「国防軍」「国旗・国歌」を掲げている。「集団的自衛権」を名目に派兵して外国での戦争を目指している。彼は「国を取り戻す」と公言する。おりしも麻生副総理が憲法改正の手法に触れてヒトラーのナチスを真似したらと発言して国の内外の顰蹙を買った。あれは本心と思う。彼らの「国」とは、敗戦までの軍国主義「日本」なのだ。
29年の大恐慌後の混乱に乗じた極右政党ナチスは、財界の支持を受けながら、「突撃隊」の暴力による「人種差別」を手始めに労働運動や民主勢力を弾圧しながら勢力を伸ばした。33年ナチスは国会議事堂に火を放ち全焼させた。それを共産党の仕業とデマ宣伝しこの年の選挙で多数を占めて第1党となると、「全権委任法」を通して独裁体制を確立しワイマール憲法を葬った。
恐怖政治を進めたヒトラーは35年にベルサイユ条約による常備軍の制約を破棄して国民皆兵(男子兵役の義務)の軍隊を発足させ、ヴェアマハト(Wehrmacht)と命名した。この邦訳が「国防軍」である。また青少年に軍国主義教育を徹底するためフォルクスシューレ(Volksschule)を始めた。この邦訳が「国民学校」である。東条内閣が41年に模倣した(私は1期生)それだ。「日の丸・君が代」強制の原点である。
「集団的自衛権」は40年の独・伊・日の「三国同盟」を連想させる。同じ轍を辿る。それが破滅の道だった。

おまけに安倍総理は、世界を欺く発言で7年後のオリンピックを日本に持ってきた。36年にヒトラーが「民族の祭典」と称してナチスドイツの一体化を国の内外に誇示する巨大なイベントに作り替えた。「ハイルヒトラー」が競技場に木霊したと言う。ナチスの手法に親近感を抱く彼らにあの再現が夢想されていないか。歴史の教訓に背く国家主義の「憲法」をこの国に許してはならないと思う。