改憲を阻止するための私たちの課題
昨年12月の衆院選は、日本国憲法の生死の分岐点となった選挙であった。衆議院で、改憲派である自民(294)、公明(31)、維新(54)、みんな(18)が、改憲を発議できる3分の2となる320を大きく上回る397議席を獲得した。
7月の参院選は、日本国憲法の生死を決める「巌流島」の決闘的選挙、負けた方は大打撃を受ける。改憲派が3分の2以上の議席を占めたら、両院での発議が可能となる。
過去、自民党の改憲策動が挫折したのは、参議院で3分の2以上を獲得できなかったからである。自民党にとって参議院は「鬼門」である。
安倍政権の改憲「進路」
昨年11月発表の自民党の「政権公約」では、次のことを打ち出している。①日米同盟の強化のもと、国益を守る、主張する外交を展開する。②集団的自衛権の行使を可能とする。③憲法改正で自衛隊を国防軍と位置づける。④憲法改正原案の国会提出をめざす。
自民党の改憲攻撃の順序
自民党の改憲手順としては次のようなことが想定される。
第一弾―集団的自衛権の行使の実現(解釈改憲の実行)
第二弾―憲法第九六条の改定
第三弾―国会・内閣・裁判所などの統治機構の改憲
第四弾―天皇や基本的人権などの改憲
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最終弾―「第九条」の改憲
国民の反対が最も強い「第九条」は改憲の最後となる。
自民党「日本国憲法改正草案」は、「『安保』憲法」草案とも呼ぶべき内容を持っている。
①天皇を「元首」であり、日本国の「象徴」とする。
②国旗と国歌を憲法に明記し、国民に尊重を義務づける。
③「元号」の制定を憲法に明記する(皇国史観を正当化)。
④「戦争の放棄」をして、米軍統制の国防軍を保持する。
⑤「緊急事態」の導入。基本的人権と民主主義(選挙)、地方自治が制限・剥奪される。
⑥基本的人権の徹底した統制。
⑦「戦宣」規定と「講和」規定がない(アメリカに従う)。
憲法改悪を阻止するために
憲法改悪を阻止するためには、①個人・団体・政党が星の数ほどの学習会を開催していく、②星の数ほどの“憲法の語り部”をつくる、③戦争国家に対抗する「平和的福祉国家」の建設をめざす、④「改憲阻止国民会議」をつくる、これらのことが求められる。
「平和的福祉国家」を創ろう
「平和的福祉国家」を創る理由は、以下のような情勢認識に立つからである。
・21世紀は、世界と日本のすべての人及び動植物が、「平和」のもとで「幸福」になる権利があるという時代である。
・21世紀は戦争を仕掛けた国が敗北する時代となった。
・21世紀は、国際紛争を「話し合い」で解決しなければならない時代となった。
・21世紀は、軍隊が民衆を弾圧できなくなる時代となった。
・21世紀は、軍隊不要の時代となった。
・21世紀は、「第九条」が人類の「導きの星」となる時代となった。
「改憲阻止国民会議」
「改憲阻止国民会議」は、a国会・自治体議会において、政党、会派、無所属の議員が組織する議会内の「統一戦線」と、b個人、団体、政党が、職場(学園)・業界・地域・全国で組織する議会外の「統一戦線」との団結によって構成すべきと考えている。
「統一戦線」の『原則』としては、6点が考えられる。
①個人・団体・政党の「参加資格の平等」
②自己の内にある「独善主義の克服」
③自他者に対する「反共主義の克服」
④相手に対する「寛容主義の堅持」
⑤「非暴力・平和主義の貫徹」
⑥「謀略資金・外国資金の不導入」
この「原則」を踏まえて「指導部」を選出する。
「改憲阻止国民会議」のスローガンは、①日本国憲法の「全面的開花」、②「平和的福祉国家」の樹立が考えられる。
政党や労働組合などの団体が、私たちが初めからリーダーとの20世紀的立場を捨てられるかが問われる。
改憲阻止にむけて頑張りましょう。