2012年11月4日日曜日

 今、なぜタカ派の台頭か
 安保ファシズムには“国民総掛り”で対応を!
   平和憲法の「全面的開花」で
       10月19日 東京革新懇代表世話人会 話題提供
              金子勝代表世話人(立正大学教授)

「政治を変えたい」との期待を裏切った民主党政権が支持率を低下させる中で、解散・総選挙が迫ってきています。その「選挙の顔」として、民主党は党代表として野田佳彦首相を再選し、自民党は安倍晋三元首相を総裁に選びました。いずれも「タカ派」で、いま、なぜタカ派の台頭なのか。10月の代表世話人会の「話題提供」では、「民主党・自民党の党首選挙結果と右傾化する政局~『安保』ファシズムを阻止するために」と題して、金子勝代表世話人(立正大学教授)が講演しました。要旨は、次の通りです。
国民全体を敵に
消費税増税と社会保障の切捨て、TPP参加、改憲、米中戦争(注)など、アメリカと日本の大企業の“金もうけ”のために、日本の国民全体を敵にする政策が必要になった。これを実現・継続する強力な政治力・軍事力が求められる「新しい政治情勢」が出現した。そして、消費税増税法案をめぐる「三党合意」を画期として、二大保守政党「対決」政治から、「保守総掛り」政治への転換が行われた。
ファッシズムに踏み出す
「保守総掛り」政治の到達点は、「ファシズム」である。日本を「米中戦争」に動員するためには、「『安保』ファシズム」が必要となる。
このような中で、保守政党の「基軸の転換」が進んでいる。民主党は、自民党「民主派」化(小沢派切りで)。自民党は、戦争政党化(自民党的ハト派の封じ込め)。公明党は、無定形政党、何にでもなることができる政党。
民主党、自民党の党首とも、集団的自衛権の行使と改憲を訴えており、両党は、「『安保』ファシズム」の実現に踏み出した。そのため、ファシズム志向の橋下徹氏を率いる「日本維新の会」を利用しようとしている。また、大マス・メディアが請け負い、デマゴギーも始まる。
反ファッシズム統一戦線を
「保守総掛り」体制によって「『安保』ファシズム」が作られようとしているならば、これに対抗する「国民総掛り」体制が、「反『安保』ファシズム統一戦線」として形成されることが求められる。
その「統一戦線」の「原則」として、「参加資格の平等」「反共主義の克服」「寛容主義の堅持」などをあげ、スローガンとして、「日本国憲法の『全面的開花』」「『平和的福祉国家』の樹立」を掲げた。さらに、「東京革新懇」の課題として、「一般社会で認められる存在になるための活動」などを提起した。
(注)アメリカ経済が、中国に勝てなくなった時の最後の手段として「米中戦争」を考えている。